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みなさん、こんにちは!土地家屋調査士の山下です。

突然ですが、土地家屋調査士が現場で測量をしている姿を見て、「現地に来ていきなり機械を立てて測っているのかな?」と思ったことはありませんか?

実は、現地で測量を始める前に、事務所や法務局・役所でじっくり行う「基礎資料調査」こそが、正確でスムーズな測量の成否を分ける重要作業なんです!

今回は、私たちが「基礎資料調査」でどんな資料を調べているのか、そしてそれがどうして現地作業の大きな助けになるのかを分かりやすくお話しします。


1. 測量前にチェックする「5つの重要資料」と深掘りポイント

現地へ行く前に、まずは法務局や市区町村の窓口などで関係する資料をバッチリ集めます。プロの視点でそれぞれどこを深掘りして見ているのかをご紹介します!

① 登記事項証明書(登記簿)

土地の「戸籍謄本」のような存在です。表題部と権利部をしっかり確認します。

  • 地目と現況のギャップを確認する
  • 登記簿上は「畑」や「山林」でも、現地はコンクリート敷きの駐車場になっているケースがあります。このズレを把握し、土地の歴史を推測します。
  • 分筆・合筆の歴史(履歴)を追う
  • 昔ひとつの大きな土地だったものが分筆されている場合、過去の地積測量図がどの土地のものと繋がっているのかを正確にリンクさせます。
  • 所有者の状況と権利関係をチェック
  • 名義人を確認し、立ち会いや境界確認の際に「誰にご連絡・ご説明すべきか」を把握します。
  • 地積(面積)の由来を知る
  • 記載されている面積が近年の正確な測量によるものかを確認し、現地での測量方針を立てます。

② 公図(こうず)

土地の位置・形状を把握する図面であり、周辺全体のレイアウトを把握するための資料です。

  • 形状と現地のギャップ(公図の古さ)の予測
  • 明治時代の和紙公図などがベースの地域では、実際の道路や敷地の形とズレがあることも。「ここはズレが生じやすいエリアだな」とあらかじめ想定します。
  • 赤地・青地(法定外公共物)の有無を確認する
  • 敷地まわりに、登記簿のない古い道(赤線)や水路(青線)が隠れていないかを調べます。これらは役所が管理しているため、境界確定の大切なポイントになります。
  • 周辺の土地との位置関係・接続を見る
  • 対象地だけでなく、周りの土地の並び順や成り立ちを確認し、権利関係の複雑さが隠れていないかをチェックします。

③ 地積測量図(ちせきそくりょうず)

法務局に保管されている過去の測量記録です。いつ・誰が・どう測ったかが詰まっています。

  • 作成年代と測量精度の違いを見極める
  • 時代の改正によって図面の精度は大きく変わります。古い図面の場合は計算誤差や基準点の有無を念頭に置いて分析します。
  • 境界標の種類と「埋設状況」のヒントを探る
  • 「コンクリート杭」「金属標」「鋲」などの種類を確認し、アスファルトや外構工事で土の中に埋もれていないかを予測します。
  • 求積方法と座標値の有無を確認する
  • 三斜法なのか、最新の「座標値」がある測量なのかを確認します。座標値があれば、現場で過去の数値を正確に再現できます。

④ 道路境界確定図・道路台帳図

道路や水路など、国や市区町村が管理する土地との境界(官民境界)に関する資料です。

  • 過去の確定手続きの有無を確認する
  • すでに役所との間で境界確定協議が終わっていれば、当時の図面が残っています。これがあれば現地での手続きを大きく短縮できます。
  • 道路の幅員や中心線の状況を把握する
  • 建築基準法の道路に該当するか、十分な幅員があるかを確認し、敷地後退(セットバック)が必要かどうかを見極めます。
  • 境界標(官民境界標)の残存状況の推測
  • 過去の図面に載っている官民杭や鋲が、道路の舗装工事などで失われていないか、残っていそうかをあらかじめイメージします。

⑤ 昔の旧図面や過去の航空写真

現在の資料だけでは見えてこない「土地の歴史」を紐解く、プロならではの調査資料です。

  • 旧土地台帳附属図の活用
  • 明治〜昭和初期の古い変遷をたどることで、「元々はひとつの畑だった」などの経緯が判明し、境界の疑問を解く鍵になります。
  • 過去の航空写真による地形・構造物の変化の追跡
  • 数十年分の写真を見ることで、かつてそこに池や盛り土があったかが分かります。土の沈下や境界標の移動リスクを予測できます。
  • 地番の変遷(区画整理の歴史)の整理
  • 区画整理などで地番が変わった地域では、古い地番と現在の地番を正しく結びつけて資料の整合性を整えます。

2. 事前調査をしっかり行うと何がわかるの?

これらの資料を深く読み込むことで、現地に行く前に次のようなことが見えてきます。

  • 境界杭の「予想位置」が特定できる
  • 「この草むらの下、約20cm深くにコンクリート杭があるはず!」といった目星がピンポイントで付けられます。
  • トラブルになりそうな場所を事前察知できる
  • お隣のブロック塀が越境していそうか、擁壁の扱いをどうするかなど、事前に注意点を把握できます。

3. 基礎調査が「現場作業」をめちゃくちゃ助けてくれる!

「机の上の調査」をしっかりやっておくことで、現場ではこんなメリットがあります。

  • 土に埋まった境界杭も一発で掘り起こせる!
  • 復元計算をもとに「ここにあるはず」と狙いを定められるため、埋もれた境界標も無駄なく見つけ出せます。
  • 現場作業がスピーディーになり、近隣の方にも優しい!
  • 探す時間が大幅に減るため現場作業が短時間で終了します。近隣の皆様へのご挨拶や説明も丁寧かつスムーズに行えます。
  • 境界の間違いや誤解を未然に防げる!
  • 事前の資料データと現地の現況を照らし合わせることで、間違った位置を境界と思い込んでしまうトラブルを確実に防ぎます。

まとめ

基礎資料調査は、いわば**「測量成功のための確実な設計図づくり」**です。

地味に見えるデスクワークですが、この事前の深い読み込みがあるからこそ、現場で正確かつ安全・スムーズに境界を決めることができます。

「自分の土地の境界がどうなっているか知りたい」「昔の測量図面があるか調べてみたい」という方は、ぜひお気軽にご相談くださいね!